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どどめ色の闇鍋

色々な備忘録。平成仮面ライダーとゲームが多い。すべて個人の感想です。

「仮面ライダーウィザード」の感想・レビュー

特撮 雑文

 

ワクワク1話、仁藤登場まで「コレはやばい」で失速、そのあとグダりつつ光るものを見せつつ、終わりよければすべてよし。
続きからネタバレ。

 

 

もったいない作品だった。

演者さんのレベルは高い、設定はおいしい、テーマはわりかし一貫してる、なのにウ~~~ン。


略解するとウィザードは、『魔法使い(英雄)にならざるをえなかった晴人』『人形だったけど心を得とくしたコヨミ』のラヴストーリーと、『ファントム(絶望)と魔法使い(希望)の両者を利用して娘(コヨミ)を蘇生しようした笛木』の話なんですね。
でもその三者のいずれもスポットがあたるのは終盤も終盤で、笛木はまだ良いとしても主人公とヒロインである晴人とコヨミは、もっと早いうちにもう一歩ふみこんでもよかったんじゃないか。
晴人は1クール目の終盤でリンコにムリしてるんじゃないかと言われたりサッカー回があって、最終回まで追った状態でふりかえるとギリギリの状態で戦ってたのかなと感じるものの、全体的な話の進みが遅いから彼の真意にふれる数も少なく、ドーナッツ好きのキザな男ってイメージがなかなかくつがえらない。

 

信頼関係を安易に恋愛にむすびつけるのは好きじゃないけど、終盤の展開を考えると晴人とコヨミは恋愛関係でもっとガッツリ描いてよかった。
4話だったかな?そのへんを見ると、晴人とコヨミの関係は共依存なのかと疑ったときもあったけど、もっとピュアな関係だったようだし掘り下げてほしい。
でもコヨミは戦闘には参加できないし、ファントムと人間を見分けられる能力もあいまって、脚本的に参加しにくかったのかな。

 

51話もかけてたわりには、重要な回がとても少ない。

『「白い魔法使い=ワイズマンなんじゃ…?」→終盤でその通りだった→もっと早くやって』だからなあ。

 

「俺が最後の希望だ」っていうワードや、変身アイテムが指輪だからキック主流のアクションのスマートさで「期待してたよりメッチャおもしろそうじゃん!!!」とテンション爆発的に上昇した1話だけど、それ以降は失速。
仁藤が出るまでの話は正直苦行だった。


晴人よりも仁藤のほうが掘り下げが早く、妙にキャラ立ちしてたのもあって(古代遺跡が好きな留年大学生、キマイラと契約してるマヨラー、魔法少女とおばあちゃん回)、このへんでやっとウィザードって作品にのめりこめた。
よくわかんないねーちゃんとヤンキーだったメデューサとフェニックスのバックボーンも明かされて、真由ライダー化でだんだんと面白くなったよ。


でも、あくまでウィザードのメインは「晴人とコヨミと笛木の物語」で、絶望と希望をかけたゲストの話の積み重ねがそこに影響したかっていうと微妙。
部分部分でいえば、おばあちゃん回や晴人の先生回やソラの本性回など、結構好きなところもあるんだけどな。
核の部分が薄い、だからウィザードは平坦な印象がついてしまう。

 

あと国案ゼロ課の空気っぷりはすごい、もうちょい活躍させてあげて…。
KABAちゃんのドーナッツ屋のほうが目立ってたぞ。

 

キャラクター

ファントム

絶望に堕ちた人間が異形になった姿で、彼らが元の人間のようになることは絶対ないってのが一貫している。

温和な花屋の青年だったフェニックスや、心優しい双子の姉だったメドゥーサ。
おいしい設定が多いのに、不死だから太陽に飛ばして永遠に生死をくりかえす(なお復活は無し)や妹にあっけなく殺されるなど、あんまりうまいこと生かされてなかったのは残念。


そして、ファントムのなかでは例外な存在のグレムリンのソラ。
人間のころからシリアルキラーだったからファントムになっても精神が変容しないってのがおもしろい設定。
異常になった原因は彼女にフラれたから、と匂わされてたけど、それにしたって先天的なシリアルキラーで、そんな彼の願いもとい最後の希望が「人間になりたい・戻りたい」なのは『晴人への仲間意識・社交的で美容師をやっていた』で同類が欲しかったのかな?と推測しとく。
ラスボスの器ではなかったけど、キャラクター的にはかなり好みの造形。

 

仁藤 攻介

「キマイラと強制的に契約したせいでオールドタイプの魔法使いになり、定期的にファントムを撃破して魔力を供給しないといつか食われる」ってのもかなり好みな設定だっただけに、最終的にキマイラが「気に入ったから放置してくな!バイ!」は拍子抜け。
でも譲といっしょにキマイラ捜索するエンディングは好き。

猪突猛進な性質で晴人より縛られているものが少ないから、仁藤のほうが主人公気質だった。
変身音声が耳に残る。

 

リンコとシュンペイ

いなくて良かったんじゃないかとちょっと思ったけど、チンプイは10話に1回の割合とくに先生回で「いてよかった」と思えたし、晴人や仁藤とのコントは好き。
リンコはフェニックスとの話が結構好きだったから、なおさらフェニックス再登場で決着つけてほしかったな。

 

最終回はスゴい良かった。

最大瞬間風速がふいてた、おわりよければすべてよし。
振り返ればヤバい部分も目につくけど最高に気持ち良い気分で終えて、今までのことは置いといて本当に見ててよかったと思える。

 

結局コヨミが蘇生することはないっていうビターエンドで、オルゴール調の主題歌に乗せて登場人物たちのその後が描かれる収束は、歴代の平成ライダーのなかでも自分のなかで3位ぐらいに入る最終回。
オープニングを意識した手の演出や賢者の石の指輪は、婚約指輪の要素も入ってんのかな。

メィジトリオ変身は、たとえ笛木による作られた希望でも得た力をどう使うかはその人間によるってのは仮面ライダーイズムを感じて、感動してしまった。

 

まとめ

期待のハードルが地面と近かったのもあって、予想より数倍は楽しめた。
女性陣のレベルも高い。服飾もノンフィクションとフィクションのはざまチックで好み。

 

希望と絶望がテーマだからファントムのやらかすところが胸糞でそんなときにウィザードがドーンと俺が最後の希望だ!!!!!と駆けつけるのはヒーローぽくて好き。
だけどウィザードはヒーローの物語ではないね、ヒーローの話にするなら晴人じゃなくて仁藤のほうがふさわしかった。
それでも私がウィザードに好印象を抱いているのは、最終回で「コレは晴人とコヨミの物語だったんだなあ」と得心したから。
それならなおさら二人を掘り下げてほしかったとか、ファントムもうちょいうまく使ってほしかったとか要望はあるけど、最終回よければオッケーオッケーサンキューウィザード。

 

(2016.9.10.追記。
「約束の場所」見ました。「俺の希望があふれているこの世界で、俺が負けるはずがない」はウィザード見てて良かったなあ、と思えるセリフ。それだけに本編でコヨミと晴人との描写が薄いのがホント悔やまれますね。平成ライダーで”名作”と呼ばれる作品と同じくらいになるだけのポテンシャルは秘めてたと感じました。

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