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どどめ色の闇鍋

色々な備忘録。平成仮面ライダーとゲームが多い。すべて個人の感想です。

夏だ!ゲームだ!子供と妖怪だ!和風だ!アニメ『妖逆門』のレビュー・感想

世間では妖怪ウォッチが流行していて、 そういうや昔、主題歌がカッコいい妖怪アニメあったよなーと思い出したのが妖逆門(ばけぎゃもん)』



当時は忙しく、チラホラしか見たことが無かったが、最近DVDを全巻購入して、面白かったから記事を書く。
というか妖逆門 感想』で検索しても、数年前の記事ばかりヒット。
マイナーな作品なんだなと感じて、この記事を書いた。

それと、うしおととらがアニメ化するのもきっかけ。

このアニメは、漫画『うしおととら』の作者である藤田和日郎氏が原案を担当しているのだ。
なので、登場人物が藤田氏の絵柄によく似ているらしい。
さらに『うしおととら』の妖怪が多く登場しているらしい。
らしい、というのは私がまだ『うしおととら』を読んだことが無いからだ。


稚拙な文章で恐縮だが、作品の評価は変わらないと思うから、みんな見てね。
長いから、続きは追記。

未視聴の方が見るかもしれないので、ネタバレは極力削った。
この記事をきっかけに見始めたりすると嬉しい。

「夏だ!ゲームだ!子供と妖怪だ!和風だ!」

そういう要素を、思い切って全部ブチ込んだ作品。
キーワードにピンと来た人は、見ても損は無いと思う。
難は、『全51話』だからカンタンには見終えられない事か。

そういや、2006年開始だったから、あと2年ぐらいで10周年。おめでとう。


シナリオを物凄いはしょると、子どもたちのバトルロイヤルだ。
バトルロイヤルといえば、創作物ではメジャーな題材で、私の好きな『仮面ライダー龍騎』もコレに当てはまる。


バトルロイヤル系の作品は、大まかに

  • 『理不尽な状況に巻き込まれ、やむを得なく戦いあう』
  • 『勝者には何らかの報酬(どんな願いも叶うなど)を与えられるから、戦いあう』

の2パターンに分類される傾向があり、本作は後者にあたる。


おのずとエゴのぶつかり合いが基本スタンスになるが、その点はそんなに強調されない。 夕方アニメだし。

一応バトルロイヤル系統の作品ではあるけど、一度負けたからといってゲームオーバーにはならないルールになっている。

そこに玩具販促アニメらしく妖怪を召喚して戦わせるシステム(今でいう妖怪ウッッチ・ポケモンみたいなヤツ)が絡んでいるが、
この作品のバトル要素は正直ザルなので、玩具販促作品としてはイマイチ。


4クールもあれば必然と展開もグタる。
今作もその例にもれず、2クール目まではキャラが好きじゃないと正直キツい
実際、シナリオが急速に加速し始める30話以降までに、離脱した者も少なくないだろう。

さらにストーリーの途中で、大幅に設定が変更されている。
そのため、前半と後半で統合性があやしい点があったり、ボツになった設定が非常に多い。

なのに、なぜ評価しているのか?


  • テーマ
  • 演出
  • 「報い」

以上3点が、とても良かったからだ。

「テーマ」。

明言されていないがこの作品のテーマは、「陰と陽の対比」と「寂しさ」だと思う。

「陰と陽の対比」

「陰の”げえむ”」と、「陽の”げえむ”」

上記で「途中で展開がグダる」と書いたが、個人的に30話以降は「陰のげえむ」と受け取っている。

ムリヤリあやかしを封印した撃符を使用していた点もあるものの、子供たちが純粋に楽しんでいた陽の「げえむ」。
そして、30話以降の鬼仮面によって崩壊していく陰の「げえむ」
ふたつの対比は好ましいと思うのだが、そういう点を置いてもグダるのは擁護できない。

陽の「子供」たちと、陰の「個魔」。

「勝ち残った一人の願いを叶えてくれる」
子供たちはそれを目当てに妖怪のゲームに参加している。
そして、彼ら一人ひとりに「個魔」という存在が付いている。

彼らは参加者のサポートをする存在で、金髪ツインテのねーちゃんとか、シルクハット被った大男とか、色んな大人の姿をしている。
全員、ミステリアスで独特の雰囲気を醸し出し、一見ミスマッチな子供との組み合わせに良い塩梅を与えている。

「個魔」の正体に関しては明確な情報は無いというか、路線変更の残骸が混ざって、よく分からないことになっている。


「体が空っぽで、自分の肉体を取り返す為に逆門に従っている。」

散らばった情報を集めて想像すると、なかなか陰惨な事実が隠れていると思われるが、今となっては真相は闇のなか。

個人的な考えだが、まず『個魔』という雛形の存在があり、そこにパートナーとなる子供たちの影響(思い入れのある物や思い)を受けて、それらが層状に蓄積していって実体化してるのかな、と思う。
まあ、解釈はそれぞれだ。


人間、誰しも一人で生きることは難しいというか子供だったらそれは特に顕著だと思う。
誰かしらいないと、それこそ「寂しさ」に食われてしまうだろう。

「寂しさ」。

これが、妖怪のゲーム妖逆門の出生の秘密だけではなく、謎のキラープレイヤー「鬼仮面」にも深く関わるテーマ。

ストーリーが後半にも差しかかると、おのずと主人公と交友を持ったキャラクターも徐々に離脱していく。
彼らの願いは、大人ならば「くだらない」と一笑してしまうものだけれど、これは子供特有の狭い価値観で選んだもので、さらにその根元にあるものは「寂しさ」なんだと感じた。



演出

特殊ED最終回のアイキャッチ
「SE入れすぎだ!うるせえ!」と感じるほどに、SEが増えていく後期OP
全ての戦いが終わったあとは、追加されたSEを全て外している点もにくい。
30話以降の次回予告の声色の変化や、きみどり登場時のシャランラという効果音。

総じて、音の使い方がうまい

さらに、演出が秀逸。

個魔と子供たちの終着点は、痛みがあるけれど爽やかな後味でまとめている。
いかにも「消化しているな」と感じるような、同じ演出ではなく、それぞれのキャラらしいものになっている。


独特の世界観も良い。
古風でノスタルジックな雰囲気。
「皆で楽しく遊びたい」という気持ちが引き金となった様々な出来事。
ゲームに対する思い。

謎の進行役「ねいど」の声優、茶風林氏の怪演もはずせない。

それと、日本中の子供たちが集うという設定から、大阪弁の勝ち気な子とかが登場しそうな所だが、あえて九州弁の巫女エセ英語を使う金髪碧眼の少年(イケメンではない)を投入した制作側のニッチな趣味が面白い。

「報い」

払った代償は取り戻せず、理由はあったとしても罪を犯した者に何らかの報いを与える。
それがこの作品の一番気に入っている点だ。
報いはあるけど、未来への救いもあるし。


ご都合主義のハッピーエンドではなく、それでいて大円団のエンディングにしたのは、とても評価できる。

最終回で、大人と子供の狭間の高校生の年代になり、それぞれの道を歩んでいる彼らを見ると、嬉しくも寂しい気持ちになる。
しかし、それは喜ぶべきことなのだろう。

まとめ

そんなわけでなかなかの良作なのだが、
いかんせん全てが誉められるか?と聞かれると肯定はできない

特に前半の、勝利基準のあやふやなバトル要素や話のテンポは、悪い意味で子供向けの作品に見えてしまう。

まあ、そこが良いと感じる人もいるだろうし、そこを乗り越えれば面白いので。


最後に、俗っぽいことを言うと、
今でこそ有名な浪川大輔氏のヤンデレ演技や、斉賀みつきさんのヘタクソな歌(本当はめちゃくちゃうまい)
少女のスク水。エリート意識の少年の恋模様。小生意気な妖精系の妖怪

こういうのを取っ掛かりにしても、楽しめるぞ。

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